今更ながらR帝国読みました。
最高でした。教団Xもそうだったんですが、中村さんの世界観が個人的にドンピシャすぎます。
今回はR帝国で個人的にいいなーと思った設定、世界観をまとめたいと思います。
これから読もうという方にも参考になればいいと思います。
R帝国 中村文則
シンギュラリティを超えたAI
シンギュラリティ、別名「技術的特異点」
つまりAIが人の知能を超えた世界。
本作中R帝国ではAIが発達し、
・無人戦闘機
・無人タクシー
・超高性能AI「HP」
などが当たり前に存在しています。
「HP」はまるで人のように人格を持ったAIとして人々の生活を支えていて、皆四六時中生活を共にしています
一見便利なように見えますが、作中ではこれが悪用されたり、また、機械が自我を持つ姿の恐ろしさを描いています。
今後間違いなく発展するAIに対しての問題提起、今後の技術発展の課題が非常にテーマとして強く描かれています。
特に無人戦闘機の描写はすごくリアルです。
最近世界の科学者がAIの戦闘機を作らないと同意したなんてニュースがありましたね。
しかしそんなのは表向きで、秘密裏に作ることは可能だと思いますし、軍需産業としての価値は莫大なはずです。
フィクションではありますが他人事とは考えられない恐ろしさ。。。
本当にゾクッとさせられます。
「抵抗」の言葉が消えた国
R帝国では共通語として日本語が使われているんですが、、
なぜか世の中から「抵抗」という、
言葉が消えてしまっています。
理由は分からない、しかし、なにか恣意的なとてつもなく大きな思惑によってその言葉が消されてしまった。
それは国によってか、それとも裏の組織によってなのか、
真実は作品を読んでいく中で明らかになります。
僕たちが当たり前のように使っている「言葉」
しかし世の中には特定の言葉を消し去りたい人がいる。
そしてそれが実際に行われた世界を本作は描いています。
僕自身、言葉があまりに当たり前に存在するのでこのような発想に至ることが本書を読むまでありませんでした。
しかし、言葉にも誰かの思惑があり、その存在次第でその国そのものすら変わってしまう。
そんなありえないような、しかし現実味のある世界観にすごく惹き込まれました。
陰謀論
本作では陰謀論の話も数多く描かれます。
表面上のメディアでは語られない陰謀。。
陰謀論はなぜ、どのように生まれ、そしてどうやって隠蔽されるのか、、、
普段生活している中ではまず意識しないであろう世の中の一つの闇を繊細に描いています。
戦争・テロ、など数々の惨事は本当に歴史の事実だけがすべてなのか?
・9.11の本当の目的
・世界で起きるテロの本当の目的
・1945年日本降伏の真実
など、真相などまるで分からない陰謀論の話を本書はふんだんに盛り込んでいます。
これらが登場する場面では変にワクワクしました。
知りたくないようなでも知りたいような、怖いもの見たさがページをどんどんめくらせました。
中村さんは本当に勇気がいったと思います。本当に凄まじいです。
最後に
R帝国本当に面白かったです。
現代の風刺であり未来への希望や絶望、そして小説の物語としての面白さ、それら全てが凝縮された素晴らしい作品でした。
ぜひみなさんに読んでいただきたいです。
ハマる人は本当にハマると思います中村文則さんの世界観をぜひどうぞ