【掏摸・中村文則】運命とは何か?反社会に生きる闇が持つ希望とは?【内容紹介・書評・感想・あらすじ】

こんにちはRyosanです。

今回は久々に小説読みました。中村文則さんの「掏摸」という作品です。

 

いやーさすがでした。やっぱり中村さんいいですね。

この前もR帝国の記事で言いましたが世界観・思想がドンピシャすぎる。。

それではあらすじから書いていきます

 

掏摸 中村文則

あらすじ

東京を仕事場にする天才スリ師。 ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎——かつて一度だけ、仕事をともにした闇社会に生きる男。 「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前が死ぬ。逃げれば、あの子供が死ぬ……」 運命とはなにか。他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の想い、その切なる祈りとは——。 芥川賞作家がジャンルの壁を越えて描き切った、著者最高傑作にして称賛の声続出の話題作!

amazon|掏摸

 

掏摸をしながら生きる主人公。

物語は完全に反社会的で、出てくる登場人物ほぼ全員が犯罪に手を染めています。

そんな一見暗くて悲しい雰囲気の中に、主人公や子供の生きたいという希望があって、「悲しみの中で読者に光を与える」中村文則さんの真髄が見れたと思いました。

 

しかし作中の主人公の運命には正直胸が痛みましたね、、、

友人、大切な人との別れ、、

ほんとは人への優しさを持っているのに中々うまく表現することができない不器用さも哀愁が漂っていてよかった。

しかし、中盤からラストにかけての理不尽に決められた運命を背負う描写は中々に痛々しかった、、

 

作中では「旧約聖書」のような世界観も描かれます。中村文則さんのあとがきにも入れ込んだと書いてありました。

人間の運命を支配する絶対的な存在「神」、運命を支配するとはどういうことなのか?という話が強烈に描かれます。

中村文則さんはこういうテーマを本当に深くまで描いてくれます。本当に凄いんですが、えぐい、、

ただ単にグロいとかそんな単純なものじゃなくて、人生への絶望とか真理とかに暗い世界からアプローチするので読み終わった後、本当に複雑な気持ちになります。

この気持ちは中村文則作品じゃないと味わえないです。。不思議と癖になる中毒性のある感情です。

 

兄妹編として「王国」というのがあるみたいですね。木崎のその後を描いた作品みたいです。。絶対読みたい。

木崎の作る王国なのか、それとも違う存在が現れるのか?作中で出てきた塔の描写が違う存在を暗示してるように感じたのでその辺注目して読みたいと思ってます。

 

180ページくらいで軽めですし、内容も濃くよくまとまっていて本当に素晴らしです。

読書慣れしてない方にもオススメしたいですね。

ぜひ掏摸で中村文則デビューをしてみてはいかがでしょうか。